社会保険を抜ける!退職しないで実現する条件と手続きの全て

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▼この記事がおすすめな人

  • 退職しないで社会保険だけ抜ける方法を知りたい人
  • 今の会社で働きながら、扶養の範囲内に戻りたい人
  • パート・アルバイトで「年収の壁」を意識し、働き方を調整したい人

退職しないで社会保険を抜けるのは原則不可能

多くの方が疑問に思う点ですが、
大前提として、

現在の雇用契約を変えずに

個人の希望で社会保険(健康保険・厚生年金保険)の

加入をやめることは法律上認められていません。

まずは、その理由と基本的なルールを正しく理解することが重要です。

  1. なぜ在職中の脱退はできないのか?
  2. 社会保険の強制脱退となる条件
  3. 勤務時間が減った場合の加入基準

なぜ在職中の脱退はできないのか?

社会保険への加入は、個人の選択ではなく、法律で定められた事業主と従業員の義務です。

日本年金機構によると下記のような加入規定となっています。

  • 法律上の加入義務
    • 常時従業員を使用する法人や、一部の業種を除き常時5人以上の従業員がいる個人事業所は
    • 「強制適用事業所」とされ、社会保険への加入が義務付けられています。
  • 従業員の加入要件
    • その事業所で働く従業員も、所定の労働時間や日数が基準を満たす場合、
    • 本人の意思に関わらず被保険者となります。

(出典:日本年金機構「適用事業所と被保険者」

このように、加入が法律で定められた義務であるため、「保険料を払いたくない」といった自己都合での脱退は認められていないのです。

社会保険の強制脱退となる条件

本人の意思では抜けられませんが、以下のような状況になった場合は、結果的に社会保険の加入資格を失い、強制的に脱退となります。

  • 会社を退職した
  • 死亡した
  • 後期高齢者医療制度の被保険者になった(75歳以上)
  • 労働時間や労働日数が、社会保険の加入基準を下回った

この中で、在職中に唯一とりうる選択肢が 4つ目の「労働時間・日数を調整し、加入基準を下回る」という方法です。

(出典:日本年金機構「従業員が退職・死亡したときの手続き」

勤務時間が減った場合の加入基準

社会保険の加入義務は、主に労働時間によって判断されます。

フルタイムの正社員はもちろん加入対象ですが、パート・アルバイトの方は厚生労働省が定める以下の基準が目安となります。

【パート・アルバイトの社会保険 加入基準】

  1. 週の所定労働時間および月の所定労働日数が、同じ事業所で働くフルタイム従業員の4分の3以上であること。
  2. 上記に満たなくても、以下の5つの要件をすべて満たす場合。
    • 週の所定労働時間が20時間以上
    • 月額賃金が8.8万円以上
    • 雇用期間が2ヶ月を超える見込みがある
    • 学生ではない(※休学中や夜間学生は加入対象)
    • 従業員数101人以上の企業に勤務している(2024年10月からは51人以上に拡大)

(出典:厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」

つまり、これらの基準を下回るように働き方を変更できれば、

社会保険の加入対象から外れることが可能です。

状況別!退職しないで社会保険を抜ける方法

「原則不可能」であることはご理解いただけたかと思います。

しかし、例外的ですが、

あなたの現在の立場や目的によっては、合法的に社会保険の対象から外れるための具体的な方法が存在します。

ここでは、状況別の3つの社会保険の脱退アプローチと脱退後の注意点を解説します。

  • ①収入を上げたい学生/フリーター向けの脱退方法
  • ②扶養に戻りたいパート向けの脱退方法
  • ③正社員/契約社員向けの脱退方法
  • 脱退後は国民健康保険への切り替えに注意

【①収入上げたい学生/フリーター向け】
パート・アルバイトの勤務時間を調整

手取り収入を増やしたい学生やフリーターの方は、勤務時間を調整する方法が最も現実的です。

具体的なアクション: シフトを管理する上長や人事担当者に、社会保険の加入基準を下回るように勤務時間を調整したい旨を相談します。

  • 例1: 週の労働時間を20時間未満に抑える。
  • 例2: 月収が8.8万円を超えないようにシフトを減らす。

重要なのは、一方的にシフトを減らすのではなく、必ず事前に会社へ相談することです。

人員計画にも関わるため、会社の事情も考慮しながら、双方にとって納得のいく形で働き方を調整しましょう。

【②扶養に戻りたいパート向け】
扶養に戻れるよう打診・手続きをする

配偶者の扶養の範囲内に戻りたいと考えているパートの方も、基本的な考え方は勤務時間の調整です。

手続きの流れ:

  1. 意思決定
    まず、ご自身の健康保険・国民年金と、配偶者の扶養に入る場合のメリット・デメリットを比較し、世帯全体でどちらが良いかを判断します。
  2. 会社へ相談
    上長や人事担当者に、扶養の範囲内で働きたいという希望を伝えます。

    • 伝え方の例: 「恐れ入ります、ご相談がございます。家庭の事情により、来月からは夫の扶養の範囲内である週20時間未満での勤務に調整させていただくことは可能でしょうか。」
  3. 勤務時間変更
    会社との合意のもと、加入基準を下回るシフトに変更します。
  4. 資格喪失手続き
    会社が「被保険者資格喪失届」を日本年金機構へ提出します。
  5. 扶養加入手続き
    会社から「資格喪失証明書」を受け取り、配偶者の勤務先へ提出して扶養に入る手続きを進めます。

【③正社員/契約社員向け】
会社と相談し雇用形態を変更する

正社員や契約社員の方が社会保険から抜けるには、
会社との雇用契約を解消し、業務委託契約などに切り替える
という、極めて例外的な方法しかありません。

これは会社との高度な交渉と合意が必要であり、誰にでも適用できる方法ではありません。

また、働き方が大きく変わるため、メリットとデメリットを慎重に比較検討する必要があります。

項目 メリット デメリット
社会保険 会社の健康保険・厚生年金から脱退できる。
国民健康保険・国民年金に切り替わる。
保険料は全額自己負担となる。
将来の年金額が減る可能性がある。
保護 労働基準法が適用されず、
有給休暇や残業代、労災保険の保護がなくなる。
税金 確定申告を自分で行う必要がある。
契約 働く時間や場所の自由度が
高まる可能性がある。
契約が不安定になりやすく、
継続性が保証されない。

この方法は、専門的なスキルを持つ方が独立する過渡期などに選択するケースがありますが、

ほとんどの労働者からしたら、
保護を失うリスクが非常に大きいだけであり、

社会保険を抜けるためだけに雇用形態を変更することはほぼ百害あって一利なしでしょう。

脱退後は国民健康保険への切り替えに注意

会社の社会保険から抜けた場合、原則として国民健康保険への加入手続きを自分で行う必要があります。

  • 手続き場所:
    • お住まいの市区町村役場の担当窓口
  • 手続き期限:
  • 主な必要書類:
    • 健康保険資格喪失証明書(会社から発行される)
    • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
    • 印鑑

※1 国民健康保険法施行規則(昭和三十三年厚生省令第五十三号)

第一条 世帯主は、その世帯に属する者が法第七条の規定により都道府県等が行う国民健康保険の被保険者の資格を取得したときは、その事実があつた日から十四日以内に、次に掲げる事項を記載した届書を、その者の住所地の市町村長に提出しなければならない。
(以下略)

e-Gov法令検索「国民健康保険法施行規則」

手続きが遅れると、医療費が全額自己負担になったり、保険料を遡って支払う必要が出たりするため、速やかに行いましょう。

退職せず社会保険を抜ける時の
細かな疑問をQ&Aで回答

最後に、ここまでで触れきれなかった細かい疑問について、Q&A形式で回答します。

  1. 社会保険を抜けたらどうなる?
  2. 手続きは会社に具体的にどう言って依頼する?
  3. 在職中に離職票はもらえる?
  4. 最終確認:社会 保険 抜ける 退職 しない条件

社会保険を抜けたらどうなる?

社会保険を抜けることには、メリットとデメリットの両方があります。

目先の手取り額だけでなく、将来の保障まで含めて総合的に判断することが大切です。

メリット

  • 手取りが増える
    • 給与から天引きされていた健康保険料・厚生年金保険料がなくなるため、
    • その分の手取り額は確実に増えます。

デメリット

  • 将来の年金が減る
    • 厚生年金から国民年金に切り替わるため、
    • 将来受け取る年金額は一般的に少なくなります。
  • 医療保険の保障が手薄になる
  • 保険料が全額自己負担になる
    • 国民健康保険・国民年金の保険料は、
    • 全額自分で納付する必要があります。

(参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

手続きは会社にどう依頼する?

社会保険の加入基準から外れるための働き方変更を会社に依頼する際は、以下のステップで進めるとスムーズです。

  1. 相談相手の確認
    • まず、直属の上司に相談するのが一般的です。
    • 会社の規模によっては、人事部や労務担当者が窓口の場合もあります。
  2. 相談のタイミング
    • 次の月のシフトや業務計画が決まる前に、余裕をもって相談しましょう。
    • 遅くとも1ヶ月前には伝えるのが望ましいです。
  3. 伝え方
    • 「社会保険の扶養範囲内で働きたい」
    • 「学業との両立のため勤務時間を減らしたい」
    • など、具体的な理由を正直に、かつ丁寧に伝えます。

在職中に離職票はもらえる?

結論として、在職中に離職票をもらうことはできません。

離職票は、その名の通り「会社を離職したこと」を証明する公的な書類であり、ハローワークで失業手当(基本手当)の申請をする際に必要となります。

退職せずに在籍している限り、発行されることはありません。

社会保険の脱退手続きで必要になるのは、前述した健康保険資格喪失証明書ですので、混同しないように注意しましょう。

最終確認:退職しないで社会保険を抜ける条件

この記事の要点を改めて確認します。「退職しないで社会保険を抜ける」が実現するのは、以下のような限定的なケースです。

  • パート・アルバイトの方が抜ける条件は
    • 会社と合意の上で勤務時間・日数を調整し、
    • 社会保険の加入基準を下回った場合。
  • 正社員や契約社員の方が抜ける条件は
    • 会社との交渉の末、
    • 雇用契約から業務委託契約などへ切り替えた場合。
    • (極めて例外的かつ相応のリスクあり)
  • 脱退時の注意点として
    • 脱退後は国民健康保険への加入手続きを自分で行う必要がある
    • 在職中である限り離職票はもらえない。貰えるのはあくまで健康保険資格喪失証明書である

ご自身の状況がこれらに当てはまるか、そして社会保険を抜けるメリットがデメリットを上回るかを慎重に見極め、後悔のない選択をしてください。

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