64歳で退職するデメリット総点検|最適なタイミングとは?

64歳で退職するデメリット総点検|最適なタイミングとは?

64歳で退職するデメリットを総点検 年金/失保の手取り、隠れた支出から解説

「64歳で退職すると得」という話は本当でしょうか?

この記事では、年金や税金といった公的情報に基づき、あなたに最適なタイミングを判断するための情報を「総点検」します。

結論から言うと、最大の鍵は「特別支給の老齢厚生年金」の対象かどうかです。

本稿を、後悔のない選択をするための「思考の武器」としてご活用ください。

64歳で退職するデメリット【年金vs失保の手取り比較】

64歳で退職するデメリットを考える男性が、年金と失業保険(失保)の書類を前に電卓で手取り額を比較計算し、どちらが得か悩んでいる様子

ここでは、退職後の収入を最大化するための「攻めの資金計画」について解説します。

64歳での退職を検討する最大の動機である、「年金」と「失業保険(失保)」のどちらが金銭的に有利になるのか、その選択と計算に焦点を当てていきましょう。

正確に比較するため、まずは比較対象となる2つの制度の基本から解説します。

比較対象①:「特別支給の老齢厚生年金」とは?

今回の損得勘定で登場する「年金」とは、65歳から誰もが受け取る老齢基礎年金のことではありません。

特定の条件を満たす人が、60歳から64歳までの間に受け取れる「特別支給の老齢厚生年金」を指します。

そもそも、なぜこんな特別な制度があるのか?

これは、かつて60歳から支給されていた【通常の老齢厚生年金】の支給開始年齢が、法律の改正で段階的に65歳に引き上げられたことに伴う経過措置です。

急な制度変更で生活設計が崩れないように、特定の世代に限り、65歳になるまで「特別に」支給される年金、それがこの制度の本質です。

▼【特別支給の老齢厚生年金】を受給できる対象者

以下の条件をすべて満たす方が対象となります。ご自身の生年月日が該当するか、必ずご確認ください。

性別 生年月日 受給開始年齢
男性 昭和28年4月2日~昭和36年4月1日 61歳~64歳
女性 昭和33年4月2日~昭和41年4月1日 61歳~64歳

※ 引用: 特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢

  • 上記に加えて、老齢厚生年金の受給資格期間(10年)を満たし、厚生年金保険等に1年以上加入していたことが必要です。

▼自分の対象可否と金額を確認する具体的な方法

毎年誕生月に日本年金機構から送付されるねんきん定期便で確認するのが最も確実です。

また、Webサイトねんきんネットに登録すれば、24時間いつでもご自身の年金記録や、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢・見込額を正確に確認できます。

比較対象②:「雇用保険の基本手当」とは?

一般的に「失業保険」や「失業手当」と呼ばれるものの正式名称が、雇用保険の「基本手当」です。

これは、退職後に生活の心配をせずに再就職活動に専念できるよう、国が支給する生活保障給付です。

▼受給の基本条件

  • 離職日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること。
  • 働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。

※ 引用: 厚労省「Q2 雇用保険(基本手当)の受給要件を教えてください。」

▼給付日数(自己都合退職の場合)

給付日数は、雇用保険に加入していた期間によって決まります。

  • 10年未満:90日
  • 10年以上20年未満:120日
  • 20年以上:150日

ハローワーク「基本手当の所定給付日数」

64歳で退職を検討される方の多くは、被保険者期間が20年以上でしょうから、最大で150日分の給付を受けられる可能性がある、と覚えておきましょう。

比較の最重要ルールと年金減額

2つの制度を理解した上で、いよいよ核心部分です。これら2つの給付は、絶対に同時に受け取ることはできません。

ハローワークに求職の申込みを行うと、その翌月から特別支給の老齢厚生年金の支給が全額停止されます。

(引用:日本年金機構「雇用保険の給付を受けると年金が止まります! 」

この「失業保険を取るか、年金を取るか」の二者択一と、それに伴う「年金減額」のリスクが、64歳退職の損得を考える上での最大の論点となります。

「64歳11ヶ月」退職が有利と言われる理由

前提知識が整った今、「64歳と11ヶ月で辞めるのが一番得」と言われる本当の理由を解説します。

これは、退職するタイミングがたった1日違うだけで、受け取れる雇用保険給付の種類と金額が劇的に変わってしまうからです。

65歳未満で退職した場合 65歳以降で退職した場合
給付の種類 基本手当 高年齢求職者給付金
支給方法 分割(4週間に1度) 一括(1回のみ)
給付日数 90日~最大150日(自己都合) 30日~最大50日
最大受給額の目安 約100万円以上 約34万円

ご覧の通り、65歳の誕生日を迎える前に退職すれば、手厚い「基本手当」の対象となります。

しかし、65歳を過ぎてから退職すると、給付は「高年齢求職者給付金」という一時金に変わり、受給額も大幅に少なくなります。

これが、「64歳11ヶ月」というギリギリのタイミングが注目される最大の理由です。

具体的な手取り比較シミュレーション

全ての前提とルールを理解した上で、最終的な損得勘定を行いましょう。

【前提条件】田中さん(64歳11ヶ月)

  • 退職前の月収(標準報酬月額):40万円
  • 雇用保険加入期間:20年以上
  • 特別支給の老齢厚生年金:月額10万円

1. メリット(失業保険の受給総額)

約6,723円(基本手当日額) × 150日 = 約100万円

2. デメリット(支給停止される年金の総額)

失業保険の受給期間(約5ヶ月)と給付制限期間(2ヶ月)を合わせ、約7ヶ月間年金が停止されると仮定します。

10万円(年金月額) × 7ヶ月 = 70万円

3. 損益結論

[メリット] 約100万円 - [デメリット] 70万円 = 約30万円のプラス

このケースでは、年金が停止されるデメリットを考慮しても、なお64歳11ヶ月で退職する方が金銭的に有利であると結論付けられます。

64歳で退職するデメリット【隠れた支出とリスク】

64歳自己都合退職の手続きについて、ハローワークの窓口で職員から説明を受ける男性。給付制限期間や必要書類について真剣に聞いている様子

次に、退職後にあなたの資産を守るための「守りの資金計画」について解説します。

これは選択の問題ではなく、退職という事実によって発生する、避けられないコストや潜在的な危険です。

これらを知らずにいると、せっかく「攻め」で得た利益も、簡単に吹き飛んでしまいます。

  • 退職金・ボーナスの減額リスク
  • 自己都合退職の「収入ゼロ期間」は何ヶ月?
  • 社会保険料の負担増
  • 翌年に来る高額な住民税
  • 再就職と健康の不安

退職金・ボーナスの減額リスク

手取りを比較する上では、退職金やボーナス(賞与)への影響も無視できません。

  • 退職金
    • 多くの企業では、自己都合での早期退職の場合、定年退職に比べて減額率が設定されています。
    • 例えば、「定年退職時の支給率を100%とした場合、1年前の自己都合退職では90%とする」といった規程です。
    • 仮に定年退職金が2,000万円の場合、この規程だけで200万円の差が生まれます。
  • ボーナス(賞与)
    • 一般的に、ボーナスには「算定期間」と「支給日在籍要件」があります。
    • 支給日より前に退職してしまうと、ボーナスが一切支給されないケースがほとんどです。

自己都合退職の「収入ゼロ期間」は何ヶ月?

多くの方が疑問に思う「失業保険は何ヶ月待ちか?」という問いへの答えは、自己都合退職の場合、原則2ヶ月です。この期間は「給付制限期間」と呼ばれ、1円も支給されません。

  • 2020年10月の法改正:
    • それまでは原則3ヶ月でしたが、
    • 現在は2ヶ月に短縮されています。
    • (5年間のうち2回目以降の自己都合退職の場合は3ヶ月)
  • 収入ゼロ期間:
    • この2ヶ月間は、年金の支給も停止されているため、完全に収入が途絶えます。
    • この期間の生活費を貯蓄から賄えるかどうかが、計画の前提条件となります。

社会保険料の負担増

退職すると、会社による保険料の半額負担がなくなります。特に健康保険は、ご自身で選択と手続きが必要です。

比較項目 任意継続 国民健康保険
計算の元になる収入 退職時の標準報酬月額(上限あり) 前年の所得
扶養家族の扱い 何人いても保険料は変わらない 加入者一人ひとりにかかる(扶養の概念なし)

必ず「昨年の源泉徴収票」を手元に、お住まいの市区町村役場協会けんぽの両方に問い合わせて、具体的な保険料を試算してもらいましょう。

退職後の社会保険は、選択肢が多く手続きも複雑です。

「任意継続」と「国民健康保険」のどちらを選ぶべきか、また扶養に入れるケースなど、より詳しい制度の解説は以下の記事をご覧ください。

翌年に来る高額な住民税

住民税は、前年1月~12月の所得に対して課税される税金です。

(※ 三菱UFJニコス「Q1. 住民税の納付はいつから?」

そのため、退職して収入が減少したとしても、在職中で所得が高かった翌年には、高額な住民税の納付書が届きます。

例えば、課税所得600万円の方の場合、翌年の住民税は約35万円にもなります。

これが退職後の収入が減ったタイミングで請求されるため、大きな負担となります。

退職金の中から、翌年の住民税支払分をあらかじめ確保しておく計画性が不可欠です。

再就職と健康の不安

金銭面だけでなく、キャリアや健康に関するリスクも「守りの計画」の重要な要素です。

  • 再就職のリスク:
    希望条件とのミスマッチや、活動の長期化による貯蓄減少が懸念されます。

    • 高齢者雇用は増加傾向ですが、希望職種との合致が難しい現実があります。
    • もし活動が長引けば、計画以上に貯蓄を取り崩す可能性があります。
    • (引用:内閣府「令和6年版高齢社会白書」
  • 健康のリスク:
    年齢とともに医療費は増加傾向にあり、予期せぬ出費は大きな負担となります。

64歳で退職するデメリット【状況別の最適解】

64歳で退職するデメリットを乗り越え、状況別の最適解を見つけた男性。計画を手に、岐路から明るい未来へと続く道を選択し、自信に満ちた表情で前を見据えている様子

必須知識を学び、攻めと守りの計画をシミュレートした上で、いよいよ最終結論です。

この章では、これまで得た知識を「あなた自身の物語」に落とし込み、後悔のない選択をするための具体的なモデルケースと、行動計画を提示します。

  • 9ヶ月・10ヶ月退職は11ヶ月と何が違う?
  • 退職と失業保険の具体的な手続き【ハローワーク】
  • モデルケースで見るあなたの最適解
  • 行動を変える準備チェックリスト
  • 再就職を考える方のための5つの具体的戦略
  • 64歳で退職するデメリット【総括と次の行動】

9ヶ月・10ヶ月退職は11ヶ月と何が違う?

結論から言うと、失業保険の給付内容(最大150日間)という点では、何も違いはありません。

64歳9ヶ月や10ヶ月で自己都合退職しても、64歳11ヶ月のケースと同様に、手厚い「基本手当」の対象となります。

唯一の違いは、退職するまでの期間に得られるはずだった給与です。下の表をご覧ください。

退職タイミング 失業保険の給付内容 失うもの(機会損失)
64歳9ヶ月 最大150日間の基本手当 2ヶ月分の給与・賞与査定
64歳10ヶ月 最大150日間の基本手当 1ヶ月分の給与・賞与査定
64歳11ヶ月 最大150日間の基本手当 なし(基準)

つまり、早く辞めるほど、その分だけ在職中に得られたはずの収入を失うことになります。ご自身の健康状態や仕事の状況、貯蓄額などを総合的に勘案し、「いつ辞めるのがベストか」をご判断ください。

退職と失業保険の具体的な手続き【ハローワーク】

「64歳11ヶ月で退職」という戦略を実行するための、具体的な手続きの流れと必要書類を解説します。

  1. 退職前:会社での準備
    • 退職を申し出て、「離職票」の交付を必ず依頼します。これがなければ何も始まりません。
  2. 退職後:ハローワークへ行く
    • お住まいの地域を管轄するハローワークへ行き、「求職の申込み」を行います。
  3. 手続きに必要なものリスト
    • ① 雇用保険被保険者 離職票(-1、-2)
    • ② 個人番号確認書類(マイナンバーカードなど)
    • ③ 身元(実在)確認書類(運転免許証など)
    • ④ 写真(最近のもの、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)2枚
    • ⑤ 印鑑
    • ⑥ 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード
  4. 待機期間と説明会
    • 手続き後、7日間の「待機期間」を経て、指定された日時の「雇用保険受給者初回説明会」に参加します。
  5. 失業認定と受給
    • 原則として4週間に1度、指定された日にハローワークへ行き、「失業認定申告書」を提出して失業の認定を受けます。認定後、約1週間で指定口座に振り込まれます。

ハローワーク「受給資格の決定」

モデルケースで見るあなたの最適解

【ケースA】「自由な時間」を優先する鈴木さん|年金対象外で「失業保険」を選択

最初のケースは、比較するまでもなく失業保険(基本手当)を受け取ることが明確な最適解となる鈴木さんの例です。

鈴木さん(64歳)の状況

  • 特別支給の老齢厚生年金は、生年月日により対象外
  • 貯蓄は3,000万円あり、退職後の社会保険料や住民税の支払いは計画済み
  • 退職金は満額より20万円ほど減るが、許容範囲内。
  • 退職後は一度リフレッシュし、半年後から無理のない範囲で再就職を考えたい。

鈴木さんの場合、そもそも比較対象となる「特別支給の老齢厚生年金」が存在しません。

そのため、年金が停止されるという最大のデメリットを考慮する必要がなく、64歳で退職し、失業保険(基本手当)を満額受給することが、経済的に最も合理的な選択となります。

近年、働く高齢者の意識は多様化しており、内閣府の調査では、60歳以上の約4割が「仕事よりも個人の生活を優先したい」と考えています。

(引用元:内閣府「令和5年版 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」

【ケースB】「盤石な安心」を優先する佐藤さん|失業保険より有利な「年金継続」を選択

次のケースは、前述のシミュレーションに基づき、失業保険(基本手当)をあえて受け取らず、「年金の継続受給」と「満額の退職金」を優先することが最適解となる佐藤さんの例です。

佐藤さん(64歳)の状況

  • 特別支給の老齢厚生年金が月額8万円受給できる。
  • 住宅ローンが残り5年あり、退職後の収入減少は極力避けたい
  • 会社の規程で、定年退職すれば退職金が満額(自己都合より150万円多い)支給される。

佐藤さんの場合、仮に失業保険(総額約100万円)を受け取ると、代償として200万円以上を失う計算になります。

200万円以上の損失
 = 年金(約7ヶ月で56万円)+ 退職金(150万円) 

このトレードオフを比較した結果、64歳で退職してハローワークに行くのではなく年金を受け取り続けながら65歳の定年まで勤め上げることが、経済的に最も合理的な選択となります。

行動を変える準備チェックリスト

後悔のない選択のために、以下のチェックリストを使い、ご自身の状況を「見える化」してください。

まずこのリストでご自身の現状を客観的に把握し、その上で再就職など個別の戦略を検討するのが最も効率的です。

項目 確認すべき具体的なポイント 行動のコツ 陥りがちな罠
会社の規程 ・退職の申し出期限(何か月前か)
・自己都合退職時の退職金減額率
・賞与の「支給日在籍要件」の有無
人事部に直接聞く前に、まずは社内ポータル等で匿名で規程そのものを入手・熟読するのが鉄則です。知識武装した上で、不明点だけを質問しに行きましょう。 同僚からの又聞きや古い情報を鵜呑みにしてしまい、申し出が遅れたり、退職金計算を間違える。
年金の金額 ・特別支給の老齢厚生年金の正確な月額
・65歳からの本来の年金の見込額
「ねんきんネット」で24時間確認可能です。もし分からなければ、予約の上で国の機関である年金事務所へ。「64歳で失業保険をもらった場合、年金はどうなるか」と具体的に質問しましょう。 「ねんきん定期便」のハガキだけで判断し、特別支給分を見落としたり、最新の加入状況が反映されていない概算で計画を立ててしまう。
再就職の現実 ・シニア向け求人サイトで、自分の経験に近い求人が何件あるか
・希望する職種・年収の現実性
・スキルが今の市場で通用するか
本格的な活動の前に、転職エージェントに一度相談し、客観的な市場価値を診断してもらうのが有効です。自分の「現在地」を正確に知ることが第一歩です。 過去の経験や給与水準に固執し、現実的でない求職活動を続けてしまい、時間と自信を失う。

再就職を考える方のための5つの具体的戦略

64歳からの再就職は、決して楽な道ではありません。

しかし、正しい戦略と準備があれば、乗り越えることは十分に可能です。

「再就職支援セミナーに行きましょう」といった空虚なアドバイスではなく、明日から実践できる具体的な5つのステップを提示します。

ステップ1:意識改革「プライド」を「貢献」に転換する

最も重要なのは、思考のアップデートです。過去の役職や給与といった「プライド」は、再就職の足枷になることが多々あります。

  • 捨てるべき思考:「俺は部長だったんだぞ」「昔はこれだけもらっていた」
  • 持つべき思考:「自分の経験を、この会社でどう活かせるだろうか」「週3日の勤務で、無理なく社会貢献したい」

企業がシニア層に求めるのは、高い地位ではなく、豊富な経験に裏打ちされた「実務能力」「若手にはない安定感・調整能力」です。

まずは、自分自身が新しい働き方を受け入れる心構えを持つことが、全ての始まりです。

ステップ2:経験の棚卸しと「スキルの翻訳」

「自分は部長や課長だったわけではないから、特別なスキルなんてない」と思っていませんか?

それは大きな間違いです。

役職に関わらず、全ての仕事には価値あるスキルが眠っています。

大切なのは、あなたの経験を、採用担当者が理解できる「スキル」という言語に翻訳する作業です。

▼【専門職・管理職の経験をお持ちの方向け】の翻訳例

あなたの過去の役職・経験 「翻訳」後の具体的なスキル
営業部長 ・予算5億円規模の予実管理能力
・若手5名の育成・指導経験(OJT)
・大手取引先との10年以上にわたる折衝・交渉能力
経理課長 ・月次・年次決算業務の完遂経験
・会計ソフト(弥生会計など)の操作スキル
・税理士との顧問契約・折衝経験
工場長 ・5S活動を通じた生産性改善(改善率15%)の実績
・パート・アルバイト30名のシフト管理・労務管理
・ISO9001認証取得のプロジェクトリード経験

▼【一般職・現場職・非正規雇用の経験をお持ちの方向け】の翻訳例

こちらが本質です。一見すると「当たり前」の業務の中に、企業が求めるスキルが隠されています。

あなたの日々の業務経験 「翻訳」後の具体的なスキル
一般事務・総務
(備品管理、電話・来客対応、社内イベント準備など)
・コスト意識を持った在庫管理能力と業者選定スキル
・会社の顔としての丁寧な顧客対応・コミュニケーション能力
・複数部署と連携する調整能力、イベントの企画・段取り力
営業担当者(非管理職)
(ルート営業、ノルマ達成など)
・既存顧客との5年以上にわたる長期的な信頼関係構築力
・年間目標〇〇円に対する継続的な目標達成能力
・新商品に関する顧客への提案・プレゼンテーションスキル
現場作業員・技術者
(機械メンテナンス、後輩への指導など)
・〇〇機械の保守点検マニュアルを遵守する正確性と着実性
・小さな異常を発見し、事故を未然に防ぐ注意力・安全管理意識
・若手作業員2名へのOJTによる技術指導・伝承経験
パート・契約社員
(レジ・接客、決められた業務など)
・迅速かつ正確なレジ操作スキルとクレームへの一次対応能力
・時間内に指示された業務を確実に完遂する遂行能力
・他のスタッフと協力し、繁忙時間帯を乗り切る協調性

このように、どのような立場であっても、具体的な行動や意識を言葉にすることで、それは立派なアピールポイントになります。

スキルがない仕事など、一つもありません。

ご自身の価値あるキャリアを、ぜひこの「翻訳」という視点で見つめ直してみてください。

ステップ3:活動場所の戦略的選定

やみくもに応募しても、時間と気力を消耗するだけです。シニア採用に積極的な場所で、効率的に活動しましょう。

  • ①ハローワークの専門窓口
    • 一般的な窓口ではなく、「生涯現役支援窓口」などシニア向け専門窓口を活用しましょう。
    • 経験豊富な相談員が、シニア採用に積極的な地元企業の求人を紹介してくれます。
  • ②シニア専門の求人サイト
    • 「From40」「マイナビミドルシニア」など、シニア・ミドル層に特化したWeb求人サイトに登録しましょう。
    • 年齢で弾かれることがなく、経験を求める求人が集まっています。(※特定のサービスを推奨するものではありません)
  • ③シルバー人材センター
    • フルタイムではなく、週数日・短時間の仕事を希望する場合に最適です。
    • 地域社会への貢献を目的とした仕事が多く、無理のないペースで働きたい方に向いています。
  • ④人脈・縁故(リファラル)
    • 最も成功率が高いのが、前職の同僚や取引先からの紹介です。
    • 退職前に「週3日くらいで経験を活かせる仕事を探そうと思っている」と伝えておくだけでも、思わぬ縁に繋がることがあります。

ステップ4:時代に合わせたスキルのアップデート

今の時代に最低限求められるスキルを具体的に習得しましょう。

必須デジタルスキル:

  • Officeソフト
    • Wordでの文書作成、Excelでの簡単な表計算・グラフ作成は必須です。
  • Web会議ツール:
    • Zoom、Microsoft Teamsの基本的な操作は、今の時代のビジネスマナーです。
  • ビジネスチャット:
    • SlackやLINE WORKSなど。
    • メール以外のツールに抵抗がないことを示すだけでも、評価は大きく変わります。

狙い目の公的資格:

  • 介護職員初任者研修:
    • 今後ますます需要が高まる介護業界への入り口となる資格です。
  • マンション管理士/管理業務主任者:
    • 不動産管理業界で安定したニーズがあります。
  • 日商簿記2級:
    • 経理・事務職を希望する場合、年齢に関わらず評価される強力な資格です。

これらのスキルは、ハローワークが実施する職業訓練(ハロートレーニング)で、多くが無料で受講できます。

失業保険を受給しながらスキルアップできる、最高の自己投資です。

ステップ5:シニア向け面接の「必勝回答」を準備する

シニアの面接では、ほぼ確実に聞かれる「意地悪な質問」があります。

これにどう答えるかで、あなたの印象は180度変わります。事前に回答を準備しておきましょう。

▼想定質問と回答例

面接官の意地悪な質問(本音) あなたの必勝回答(貢献の意思表示)
「年下の人間が上司になりますが、やりにくくありませんか?」
(プライドが高くて、扱いにくそうだな…)
「全く問題ございません。」
「私の役割は、役職に関わらず、チームの目標達成のために自分の経験を活かすことだと考えております。」
「むしろ、若い方々から新しい視点を学ばせていただきたいです。」
「当社の給与水準は、前職よりかなり低くなると思いますが…」
(給与に不満を持って、すぐ辞めるのでは…)
「承知しております。」
「私にとって今後は、給与額そのものよりも、これまでの経験を活かして社会と繋がりを持ち、貢献できることにやりがいを感じておりますので、ご提示の条件で全く問題ございません。」
「ご自身の健康面で、何か懸念はありますか?」
(すぐに体調を崩して、休まれると困るな…)
「ありがとうございます。」
「お陰様で、長年大きな病気もなく過ごしております。」
「健康維持のために週2回のジム通いを続けており、体力には自信がありますので、ご安心ください。」

64歳で退職するデメリット【総括と次の行動】

64歳で退職するデメリットを乗り越え、幸せな未来を掴むための選択は、詰るところ2つの価値観のどちらを優先するかに行き着きます。

  • 64歳退職は…
    • 多少の複雑さとリスクを引き受ける代わりに、
    • 「前倒しで自由な時間」という、お金には代えがたい価値を手に入れる選択です。
  • 65歳定年は…
    • 失業保険という短期的な利益を追わない代わりに、
    • 「退職金の最大化と手続きの簡潔さ」という、盤石な安心を手に入れる選択です。

内閣府の「高齢社会白書」でも、高齢期の暮らしへの考え方として、経済的な安定だけでなく、健康や生きがい、社会との繋がりといった多様な価値観が重視されていると報告されています。

(参照:内閣府「令和6年版 高齢社会白書」

まさに、あなたの人生にとって、どちらがより「幸せ」だと感じるか。この記事は、その価値観に沿った合理的な判断を下していただくための「思考の武器」です。

この武器を手に、自信を持ってご自身の未来を選択し、次の具体的な一歩(チェックリストの実行)へ進んでください。

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